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SUMMARY

NO20-O-5
Theme 血清微量元素濃度からみた菜食者の栄養評価−セレン・亜鉛・銅について−
Reporter 小切間美保*1)、矢野えりか1)、小笹清香1)、浅原理恵1)、佐々木公子2)、井奥加奈3)、梶原苗美4)、岡田真理子5)、奥田豊子3)
Position 1)同志社女子大、2)辻学園栄養専門学校、3)大阪教育大、4)神戸女子大、5)大手前栄養学院
Summary
【目的】
 飽食の現代社会において,生活習慣病予防および治療の観点から菜食の良さが見直されている。しかし、必須微量元素であるセレン、亜鉛、銅などの栄養素は動物性食品に多く含まれ,植物性食品より吸収率が高いといわれているため、それらの栄養素に関する栄養状態の評価が必要と考えられる。そこで、菜食療法を実践する中高年女性19名および対照群として中高年女性27名を対象に血清セレン・亜鉛・銅を指標に栄養状態の検討を行った。

【方法】
 対象者全員に本研究の目的などを十分に説明し同意を得た。菜食者の菜食内容は玄米粉、緑黄色野菜の絞り汁、豆腐、果物などであった。菜食者は45日間の菜食療法を実施する前(普通食)と菜食開始6週間後(菜食)に食事調査、身体計測、血液検査を行った。対照群は菜食者の菜食期間中に1回食事調査、身体計測、血液検査を行った。

【結果】
 菜食者において低栄養の指標となる血清アルプミンは基準範囲内であった。微量元素の摂取量において、セレンは菜食群の菜食摂取時で所要量を下回っていた。亜鉛と銅の摂取量は対照群、菜食群(普通食、菜食)いずれも所要量を充足していなかった。血清セレンおよび亜鉛では、菜食群の菜食時が対照群より有意に低い値を示した。対象者の亜鉛・飼・セレン摂取量と血清濃度との単相関分析ではセレンにおいてのみ摂取量と血清濃度との間に有意な正の相関関係が認められた。また、菜食者の栄養素摂取量における亜鉛/銅の比、亜鉛/鉄の比はいずれも所要量の同比より低く、血清亜鉛濃度との関連が示唆された。

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