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SUMMARY

NO20-O-10
Theme 単一細胞によるガン化細胞の増殖速度の解析法の開発
Reporter 松本 佳子*、 鵜澤 有希、唐 漢軍、河村 幸雄
Position 近畿大学大学院・農学研究科・応用生命化学
Summary

【目的】
生体の機能の細胞レベルでの研究に初代培養細胞や株化細胞の有用性は論を待たないが、 技術的な制約から細胞周期上同調が不十分なヘテロな細胞群を対象とせざるを得ず、結果にあい まいさを持ち込んでいる。そこで、細胞1個すなわち単一細胞の培養系での簡易な解析手法の開 発とこの系での増殖速度に及ぼす細胞密度の解析を行った。

【方法と結果】
マウス胎児由来繊維芽細胞3T3とそのSV40形質変換体SV-T2をDMEM培地で培養した。細胞数は細胞計数板およびマイクロキヤピラリー法により測定した。細胞数は1.0×105個から1/ 10倍、1/100倍、1/1000倍と限外希釈して72時間まで細胞数の計測を行った。しかし、従来の細胞計測板の計測法では1.0×102個以下の細胞数の計測は不可能であった。そこで,1.0×102個以下の正確な細胞の簡易採取法を開発した。試行錯誤の後,顕微鏡下マイクロキヤピラリーで採取する方法が有用であった。細胞数の確認は,マイクロキヤピラリー内でと96穴プレート内とを顕微鏡で観察した。その結果、細胞1個から100個を正確に96穴プレートに分取することが可能となった。この方法で細胞数が正確な細胞の接着、分裂、増殖の観察を進めている。現段階では、本装置を利用し単一細胞1個から細胞数を変えた細胞培養を行い、ガン化細胞と野生型細胞の細胞密度と増殖速度の関係などの培養過程の解析を行った。


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